トイレの豆知識 その28.3

こんにちは。コールセンター片倉です。トイレの歴史、今回で4回目です。折り返しを過ぎ、だんだんと現代に近づいてきております。それでは今回もどうぞよろしくお願い致します。


【 近代ヨーロッパのトイレ 】

(前回の続きとなります。詳しくは前回のブログをご参照ください。)

これらを背景として、「黒死病(ペスト)」が大流行します。ヨーロッパ人がアジアに入植するようになると、コレラも1831年頃から流行し始めました。1850年のロンドンだけでなんと数万人規模の死者を出すこととなりました。その後、イギリス人学者ジョン・スノウの研究により、生水がコレラの病原となっている事が突き止められます(ちなみに、上下水道の未整備による疫病の流行は、今でも開発途上国の問題となっています)。

このことから、上下水道の整備が急速に進み、人々の間で衛生観念という意識が生まれ始めます。フランスでは、ナポレオン3世が1831年の政権奪取後、パリの都市改革に臨みます。老朽化した建物の改築の他、市街地に4本の大きな下水道を建築する計画がなされ、1861年に完成します。1867年のパリ万国博では、整備された下水道が海外使節団にお披露目されています。しかし、現在のような汚水処理は未整備であり、セーヌ川に汚水を垂れ流していました。そのためセーヌ川の汚濁がひどくなり、1889年、5年間の間にトイレの水洗化が義務付けられます。
このような形で、急速にヨーロッパの下水設備は整えられていきます。現在では、水洗トイレは一般化していますが、手洗い場が設けられておらず、手を洗う習慣がないなどかつての習慣が垣間見える事もあるようです。


今回の記事はいかがでしたでしょうか。下水道が整備されている今日では、疫病の流行は見られなくなっており、やはり水洗トイレは衛生上欠かせないものとなっています。

地域によりましては、浄化槽でのトイレや簡易水洗トイレもまだまだ現役ですが、当社はそういったトイレの施工実績もございます。また、汲み取り式からの変更も承っておりますので、気になることがございましたら何でもご相談ください。

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