普段目にすることは多くても、あまり意識することのないトイレの水量ですが、節水などの観点から意識的に使い分けている方もいるそうです。
水洗トイレができてまだ初期のころは、「大用」の洗浄一回につき約13リットルの水を使っていたそうです。
トイレ設備の技術が進むにつれて、現在で「大」は8リットル、「小」は6リットル前後が一般的になっています。
大手のトイレ設備となるとさらに使用する水の量が減ります。新しいものだと「大」で5リットル以下、「小」だと4リットル以下となり、エコ仕様のトイレが多く流通し始めており、人気も出てきています。
エコを意識した超節水型は流水量をさらに削り、なんと「大」で3.8リットル、「小」で3.3リットルに抑えるなど初期のころの4分の1にまでカットされています。
トイレにはある審査基準があります。汚物を流した際は便器から配管に移り、そこから平均10メートルほど流れていかないといけないそうです。汚物が配管に詰まらないようにというのが理由だそうです。
ここで気になるのが「大」を「小用」で流した場合です。便器から見えなくなってもそれで流れたことにはなりません。「小用」では「大」を流すには水量が不十分で、前述した通り見えなくなった後も配管内を10数メートル流れていかなければ、配管内に汚物が堆積し詰まりを起こす可能性があります。
やはり用を足したあとは、対応する水量で流すのが鉄則のようです。
また、節水のためにトイレタンク内へペットボトルをいれ水嵩を増しているお宅がありますが、これも汚物が流れていくための十分な水量を確保できずに配管を詰まらせる可能性があります。
さらに、こうした節水方法だと、レバーの動きを阻害する場合があり、雑菌の繁殖を許してしまうなどに加え、異物の混入によるタンクの破損の恐れがあります。メーカーも非推奨としているため、避けるべきでしょう。
洗浄水を削るとトイレ設備や配管等に悪影響を及ぼす可能性があることについては先ほど述べた通りです。
今までのような節水方法が使えないとなると、他に手はないのでしょうか。実はすぐに取り入れられる節水術がいくつかあります。
1.「大」を多用せず、「小」を使いこなす
単純計算になりますが、一回につき1リットルから2リットルの節水になります。毎日複数回にわたるためこの差は出てくるでしょう。そのため、便のとき以外はなるべく少量の水で済むように心がけましょう。
2.2回以上の洗浄を避ける
すべてを1回に収めるのは難しいでしょうから、なるべく回数を減らす方向で取り組まれると良いでしょう。
3.お風呂の残り湯を再利用
節水の基本ともいえる方法です。やり方は簡単でバケツなどでトイレに水を流すだけです。この際注意すべきなのは、「大」または「小」の分量の水を流すことです。
2つの機能を工夫してうまく使い分けることがトイレの基本節水術です。
トイレが旧式だと長期的に見た場合、新型の少量で洗浄するタイプにトイレ交換することも検討案に入るかもしれません。